f/22は作り手によるドキュメンタリー批評雑誌です

作り手によるドキュメンタリー雑誌『f/22』は2019年に創刊しました。

ドキュメンタリーカメラマンである編集長・満若勇咲の「ドキュメンタリーの作り手が現場から肉声を発信して議論の場を活性化させていきたい」という思いに賛同した、ディレクター、録音技師などの現場人が編集員となり参加しています。創刊後、現場で日々格闘するドキュメンタリー制作者をはじめ、関心をもつ多くの方々からの支持と賛同を得ることができました。

オープンな議論の場を求めて
絞りが開いた状態
絞りを絞った状態

f/22という名称は、レンズの最小絞り値から名付けました。レンズには明るさを調節するために絞りという機構が搭載されています。この絞りの値をf値とよびます。(現場では「f○○」と言います)このf値が大きくなるほど映像は暗くなり、画面全てにピントが合うようになっていきます。この状態をパンフォーカスと呼び、オーソン・ウェルズや黒澤明監督が使用した技法として知られています。逆に今流行している背景がボケた映像や写真はこのf値が小さい状態で撮影されているということです。つまり、f/22は「見たいものだけ見る」のではなく、パンフォーカスのように、あらゆるものに焦点を当てて、広く開かれた議論をする場を作るという目標から名前を付けました。

直感を言葉にする場を目指して

現場において実際に作業を行う「身体」と作品の背骨を組み立てる「知性」を結びつけるものは作り手の直感です。不確定要素の多いドキュメンタリーの現場では、作り手の直感は羅針盤のように作品を完成を導く重要な要素です。この直感には作り手が体得した経験知が詰まっています。これらを言語化することをf/22は目指しています。

独立した個人の集まり=f/22

f/22 は運動体ではありません。あくまで雑誌をつくるという事のみを目的にしています。編集員はまず個人としての活動があり、あくまでf/22という場を利用して発信する、そんなイメージの集団です。何かを発信したい、伝えたい、という方はぜひf/22を利用してもらいたいと考えています。

f/22編集部